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クローン病

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クローン病ってどんな病気?

小松 萌子

どんな病気?

クローン病(Crohn’s disease)は、1932年にアメリカの内科医Crohn先生によって「限局性回腸炎」という病気として初めて報告されました。
クローン病は炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease)の一つで、潰瘍性大腸炎とともに国の難病に指定されていて、患者さんの数はどんどん増えてきています1)。

主に10代から20代の若い人に多くみられ2)、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。
口の中から肛門まで、消化管のあらゆる場所に病気が広がり、腹痛や下痢、血便などの症状が出ます。

クローン病の原因は遺伝的な要因や様々な後天的な要因が関係していると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
根本的な治療法はまだありませんが、クローン病の診断方法や治療法の研究が国内外で続けられており、最近では長期的な予後の改善を目指した治療も可能になってきています。

1)日本消化器病学会 炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2020(改訂版第2版).
2)難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp(2025年2月1日閲覧).

症状は?

クローン病の症状は患者さんによって様々で、病気の部位や範囲によって違います。
よくみられるのは、腹痛や下痢、下腹部の腫れなどの消化管の症状と、発熱や体重減少などの全身症状です3)。

そして、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、慢性的に進行する特徴があります。
特に小腸に病気がある患者さんでは、低蛋白血症や低コレステロール血症、貧血などの栄養障害も起こることがあるので4)、注意が必要です。

また、長期的に経過していくと、腸の瘻孔(ろうこう)や狭窄、膿瘍(のうよう)といった腸の合併症や、肛門周りの膿瘍や痔瘻(じろう)、関節炎、虹彩炎、結節性紅斑などの腸管外の合併症も起きることがあり、患者さんのQOL(生活の質)に大きな影響を与えます。

3)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班):令和5年度改訂版 潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針.
4)三浦みき, 他: Crohn病, 腸管Behçet病: 小腸病変を中心に. 診断と治療. 2020; 108(1): 87-92.

合併症について

腸管に起きる合併症(腸管合併症)
クローン病は、腸の全層に炎症が起きる病気です。そのため、腸の内部だけでなく外側にも炎症が広がり、さまざまな合併症が起きやすくなります。
腸が穴あきになったり、他の臓器と穴で繋がったりする瘻孔(せんこう)、腸が狭くなる狭窄(きょうさく)、膿がたまる膿瘍(のうよう)などが起こり得ます。

また、肛門周囲にも影響が出て、痔やできものができたりと、複雑な症状が現れることがあります。

腸管以外に起きる合併症(腸管外合併症)
炎症性腸疾患では、さまざまな合併症が全身に起きる可能性があり、クローン病の患者さんの40~60%に見られる5)といわれています。

虹彩炎眼の虹彩という部分に炎症が起こる病気です。眼が赤く腫れて、光がまぶしく感じられたり、痛みがあったりします。多くの場合、腸の症状が悪化した時期に起こりますが、寛解期にも起きることがあります。
口内炎口の中(歯茎や舌)に痛みのある浅い潰瘍ができる病気です。炎症性腸疾患の患者さんでよく見られます。
関節炎・関節痛関節の痛みは、炎症性腸疾患の患者さんでよくみられます。関節炎は、膝や足首、背骨などの関節に炎症が起きて、腫れたり赤くなったり、押すと痛みを感じたりします。通常は、鎮痛薬の投与や腸の炎症を治療することで、症状が軽くなったり消えたりします。
結節性紅斑足首やすねに赤い腫れができる病気で、痛みを伴います。これが出現するのは、腸の症状が悪化したときで、腸の病気が改善すると完全に消えます。 [壊疽性膿皮症]主に足に見られる重い皮膚の病気です。放っておくと治りにくい深い潰瘍になり、皮膚移植が必要になることもあるので、適切な治療が大切です。

原因

クローン病の原因はまだはっきりとわかっていません1)。

しかし、家族の中にクローン病の人がいる場合1)や、一卵性双生児のほうが二卵性双生児よりも発症する率が高い6)ことから、何らかの遺伝的な要因が関係していると考えられています。
同時に、食事や生活環境、喫煙といった後天的な要因や、腸内細菌の異常なども発症に関与しているといわれています7)。

つまり、遺伝的な素因を持っている人に、様々な環境の影響が加わることで、腸の免疫システムが正常に働かなくなり、炎症が起こるのがクローン病の発症原因だと考えられているのです1)。

高橋索真, 他:炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・Crohn病). 内科. 2020; 126(1): 81-5.
清原裕貴, 他:クローン病-薬物療法. 臨牀と研究. 2021; 98(5): 558-64.

現状

クローン病は、男性のほうが女性よりも2倍ほど多く発症します。
発症のピークは、男性が20~24歳、女性が15~19歳2)と、比較的若い年齢層にあります。

しかし、それ以降は急速に減少し、40歳過ぎに発症することはほとんどありません8)。
クローン病は、もともとアメリカで報告され、その後、欧米を中心に患者さんが増えてきました。

最近では、アジアの国々でも患者さんが増えており、食生活の変化や都市化、工業化など、西洋の生活様式の影響が関係していると考えられています。
日本でも例外ではなく、クローン病の患者さんは7万人を超えており、10万人当たり約56人の割合で発症していると推定されています。

難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/(2025年2月1日閲覧)

松岡克善, 他:炎症性腸疾患の定義・疫学. 日本臨牀. 2022; 80(3): 373-6.
高橋憲一郎, 他:炎症性腸疾患 慢性炎症性疾患 クローン病. 日本臨牀. 2022; 80(増刊7): 403-9.

診断と検査

診断

佐上 晋太郎

まず、患者さんの症状を詳しく調べて、クローン病の可能性を考えます。
血液検査や便検査を行い、さらに詳しく調べるために、腸の超音波検査(腸管エコー)、CTやMRI検査、X線検査、内視鏡検査、組織の病理検査などから総合的に診断します。

特に、消化管の病変を見つけだすのに大切なのが、CTやMRIを使った「エンテログラフィー」という検査や、内視鏡を使って直接消化管の様子を確認する検査が重要になります。

検査方法

血液検査
クローン病の診断や症状の変化を確認するためにとても重要な検査です。
全身の炎症の程度を調べるために「血沈」「CRP」「LRG」という項目を測定します。

これらは症状が悪化すると数値が上がり、治療により良くなっていくので、病気の活動状況を確認する目安になります。
また、全身の栄養状態を調べるために「血清タンパク質」「アルブミン」「総コレステロール」「コリンエステラーゼ」などの項目も測定します。

糞便検査
腸からの目に見えないほどの小さな出血があるかどうかを見つけることができます。
診断の際には、細菌の培養検査を行い、細菌性の腸炎との鑑別も行います。

腸管エコー検査
超音波を使って腸の状態を調べる検査です。小腸や大腸の様子を確認し、炎症や膿がたまっていないかをチェックします。
小腸が縮んでいると詳しく見ることが難しいため、必要に応じて下剤を飲み、腸の中に液体を満たした状態で検査を行うことがあります。

CT/MRエンテログラフィー検査
腸の様子を詳しく調べるために、造影剤(体の中を映しやすくする薬)を飲んで腸を適度に広げた状態でCTやMRIの検査を行います。
これにより、腸の中だけでなく、腸の外にある病変も確認することができます。
特にMRエンテログラフィーは放射線被ばくがなく、若い患者さんでも繰り返し検査を受けることができます。

注腸X線検査
肛門から細い管を入れ、バリウム(腸を映しやすくする薬)と空気を大腸に入れてレントゲン撮影を行う検査です。
これにより、大腸の粘膜の状態や、潰瘍、狭窄、瘻孔があるかどうか、病変の広がりなどを確認できます。

小腸X線検査
バリウムを口から飲むか、十二指腸に細いチューブを入れてバリウムを小腸に流しながらレントゲン撮影をする検査です。
これにより、小腸にある病変を見つけることができます。

内視鏡検査
肛門から細い管(内視鏡)を挿入し、盲腸や小腸の一番下の部分(回腸末端)までを観察することができます。
病変がある場合は、粘膜の一部を採取して顕微鏡で調べることで、クローン病の診断につなげることができます。
最近では、「カプセル内視鏡」や「バルーン内視鏡」といった特殊な内視鏡も登場し、小腸の中も詳しく観察できるようになりました。

クローン病の病型分類

クローン病では、小腸や大腸、あるいはその両方に特徴的な病変がみられます。
例えば、縦走潰瘍や敷石像、狭窄などのです。
これらの特徴的な病変のある部位によって、「小腸型」「小腸大腸型」「大腸型」などに分類されます。

クローン病にみられる消化管病変

縦走潰瘍
腸管の縦軸に沿ってみられる4~5cm以上の長い潰瘍。

敷 石 像
潰瘍と潰瘍の間の粘膜が半球状に隆起し、丸い石を敷きつめたような外観を呈する。

狭 窄
腸管の内腔(内側)が狭くなった状態。

瘻 孔
腸管に穴があき、ほかの臓器などに穴や管でつながること。腸管-腸管瘻:腸管と腸管が穴でつながった状態。腸管-皮膚瘻:腸管と皮膚が穴でつながった状態。

クローン病の活動度

クローン病の症状はとても幅広く、患者さんによって現れ方が様々です。
特によくみられるのが腹痛、下痢、発熱などです。

これらの症状の程度を評価するために、「IOIBDスコア」という指標が使われており、症状の強さや頻度をもとにクローン病の活動の程度を判断します。

IOIBDスコアによる活動度評価

  1. 腹痛
  2. 1日6回以上の下痢または粘血便
  3. 肛門部病変
  4. 瘻孔
  5. その他の合併症
  6. 腹部腫瘤
  7. 体重減少
  8. 38℃以上の発熱
  9. 腹部圧痛
  10. 10g/dL以下の血色素(※1項目1点とし、合計点であらわす)

寛解期⇒スコア0点または1点で血沈値、CRPが正常化した状態
活動期⇒スコア2点以上で血沈値、CRPが異常な状態

参考文献
難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp(/ 2025年2月1日閲覧). Matsuoka K, et al. J Gastroenterol. 2018; 53(3): 305-53.
Maaser C, et al. J Crohns Colitis. 2019; 13(2): 144-64. Lamb CA, et al. Gut. 2019; 68(Suppl 3): s1-s106.

治療について

阿曽沼 邦央清原 裕貴

どんな治療をするの?

クローン病の正確な原因はまだわかっていません。
そのため、根本的な治療法はありません。

でも、患者さん自身がしっかりと病気について理解し、医療従事者と一緒に治療に取り組めば、多くの方が症状が改善する寛解状態に入ることができ、その状態を維持することも可能です。

クローン病の治療の基本は、腸の炎症を抑えて症状を軽くし、栄養状態を良くすることです。
そのため、薬物療法と栄養療法を組み合わせて治療が行われます。

過去には、患部の腸を切除したり、バイパス手術を行うことがよくありました。
しかし、その後に病変のない部分に再発するなどの問題がありました。
最近では、できる限り薬物療法や内視鏡を使った治療を続け、やむを得ず手術が必要になった場合でも、小範囲の切除や狭窄の修復にとどめるようにしています。

治療の目標は、症状の改善だけでなく、血液検査や画像検査で腸の炎症がないことを確認し、難しい合併症を防ぐことです。
医療従事者と一緒に、根気強く治療に取り組んでいくことが大切です。

薬物療法
5-ASA製剤

福田 知広阿曽沼 邦央八木澤 啓司渋井 俊祐

5-ASA製剤

クローン病の治療には、5-アミノサリチル酸(5-ASA)という薬が世界中で広く使われています。
これはクローン病の基本的な治療薬です。
日本で使えるのは、サラゾスルファピリジン(サラゾピリン®)とメサラジン(ペンタサ®)という2つの5-ASA製剤です。

サラゾピリン®は、5-ASAとスルファピリジンという2つの成分が結合した薬で、体の中で腸内の細菌によってこの2つの成分に分解されます。
そして分解された5-ASAの成分が病気の部分に直接届いて効果を発揮します。
そのため、大腸に炎症がある方にしか使えません。

一方、ペンタサ®は5-ASAだけの薬で、スルファピリジンの成分がないので副作用が少ないといわれています。
また、小腸からも吸収されるので、小腸や大腸に病気がある方すべてに使えます。
ペンタサ®には錠剤と飲みやすい顆粒タイプがあります。

5-ASA製剤は炎症を抑える薬ですが、正確な作用メカニズムはよくわかっていません。
ただ、メサラジンという有効成分が腸の中にたくさんあることで、より高い効果が得られることがわかっています。
特に、症状をコントロールし続けるのに大切な薬なのです。
服用することで経管栄養が減らせたり、再手術までの期間が延びる可能性があります。

副作用

サラゾピリン®を服用する際によくみられる副作用としては、アレルギー症状(発疹など)、消化器症状、頭痛などがあります。
これらの多くは薬の成分によるものと考えられています。

そのほかにも、肝機能障害や、まれに赤血球が壊れて貧血になる溶血性貧血などの血液の異常も起きることがあるので、定期的な血液検査が必要です。
また、男性の場合、精子の数が減ったり、精子の動きが悪くなることで不妊の原因になることがわかっています。
将来子供を持ちたいと思っている方は、主治医に相談しましょう。

一方で、ペンタサ®はスルファピリジンを含まないため、サラゾピリン®に比べて副作用が少ないといわれています。
ただし、まったく副作用がないわけではありません。

最近では、5-ASA製剤に対する過敏な反応として、発熱や発疹などのアレルギー症状、下痢や吐き気などの消化器症状、頭痛などが報告されています1)。
こうした副作用は、服用開始2週間以内に起こることが多く、服用している5-ASA製剤の種類によっても違う症状が出る可能性があります。
薬を飲み始めたときや種類を変えたときに、体調がいつもと違うと感じたら、すぐに主治医や薬剤師に相談してください。

1)Hiraoka S, et al. J Gastroenterol Hepatol. 2021; 36: 137-43.

副腎皮質ステロイド

副腎皮質ステロイド

副腎皮質ステロイドは、とても強い炎症を抑える作用がある薬です。
代表的な薬剤にプレドニゾロンなどがあります。
このお薬はとても効果が高く、腸の炎症が強い場合に使われます2)。

プレドニゾロン

プレドニゾロン(プレドニン®)は、内服薬や点滴静脈注射で使われる全身性の副腎皮質ステロイド薬で、とても効果が高い薬です。
特に5-ASA製剤だけではコントロールできない中等度または重症のクローン病の患者さんに使用され、合併症の関節炎や皮膚の症状にも効果があります。

ステロイド薬は効果が高い一方で、長期間大量にさまざまな副作用が起こりやすくなります。
そのため、症状が良くなってきたら少しずつ減らしていき、3ヵ月を目安に中止します。

急に止めると病状が悪化したり、副腎不全といった全身症状が出たりする可能性があるので、慎重に減量する必要があります。
また、ステロイド薬は5-ASA製剤のような長期的に寛解を維持する効果がないので、必要以上に長期に使用するべきではありません。
効果が高いことに頼りすぎてしまう人がいる一方で、副作用を心配するあまり必要以上に避ける人もいますが、大切なのは病気の状態に合わせて適切に使うことです。

ブデソニド

ブデソニド(ゼンタコート®)は、クローン病の治療に使われる新しいタイプの副腎皮質ステロイドです3)。
従来のステロイド(プレドニゾロンなど)は体に吸収されて全身に作用しますが、ゼンタコート®は炎症がある部位で効果を発揮し、吸収された後はすぐに肝臓で分解されるため、副作用が少ないのが特徴です。

ゼンタコート®は、カプセルの形にすることでクローン病の炎症が起きやすい部位の回腸(小腸の終わりの部位)から上行結腸(大腸の始めの部位)にかけて薬の成分がしっかり放出されるよう工夫されています。

副作用

副腎皮質ステロイドを使うと、顔がむくんで丸くなる「ムーンフェイス」や、ニキビ、体重の増加、不眠などの症状が出ることがあります。
また、長く使い続けると、骨がもろくなる骨粗鬆症や、胃や腸の潰瘍、糖尿病、感染症にかかりやすくなるなどの重大な副作用が出ることもあります。

2)Benchimol EI, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2008; 2008(2): CD006792.
3)Seow CH, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2008;(3): CD000296.

免疫調節薬(アザチオプリン、6-メルカプトプリン)

免疫調節薬(アザチオプリン、6-メルカプトプリン)

クローン病では免疫の働きが強すぎるため、それを抑える薬が使われます。
代表的なものが「チオプリン製剤」と呼ばれるお薬で、アザチオプリン(イムラン®、アザニン®)や6-メルカプトプリン(ロイケリン®)があります。このお薬はゆっくり効くため、効果が現れるまでに1〜3ヵ月ほどかかります。

副腎皮質ステロイドの副作用が出たときや、ステロイドを減らしたいときに使われるほか、抗TNF-α抗体製剤と一緒に使うことで効果を高めることもあります4)。
また、瘻孔(ろうこう)のある患者さんにも効果があると報告されています5)。

※1 ロイケリン®はクローン病に対して保険適用になっていません。

副作用

このお薬を使うと、白血球減少、脱毛、肝機能障害、吐き気や嘔吐、発熱、膵炎などの副作用が出ることがあります。
最近の研究で、治療前に「NUDT15」という遺伝子を血液検査で調べておくことで、白血球減少や脱毛のリスクを予測できるようになりました6)。

その結果、投与量を調整したり、薬の使用を避けたりすることで、より安全に治療できるようになっています。
副作用は薬を休むことで回復します。また、欧米では長期間の使用でリンパ腫や皮膚がんのリスクが高まるという報告がありますが、日本ではリンパ腫のリスク上昇は確認されていません7)。

4)Colombel JF, et al. N Engl J Med. 2010; 362: 1383-95.
5)Pearson DC, et al. Ann Intern Med. 1995; 123: 132-42.
6)Kakuta Y, et al. Pharmacogenomics J. 2016; 16: 280-5.
7) Kobayashi T, et al. J Crohns Colitis. 2020; 14(5):617-23.

抗TNF-α抗体製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ)

抗TNF-α抗体製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ)

クローン病の原因のひとつとして、「TNF-α」という物質が増え、炎症を引き起こしていることがわかっています。
このTNF-αの働きを抑える薬が「抗TNF-α抗体製剤」です。現在、クローン病で使える薬には、インフリキシマブ(レミケード®)8)9)とアダリムマブ(ヒュミラ®)10)11)の2種類があります。

レミケード®は1回の点滴を原則2時間以上かけてゆっくり行い、初回投与後は2週間後、6週間後に投与し、その後は8週間ごとに投与を続けます。
ヒュミラ®は皮下注射で、初回160mg、2週間後に80mg、その後は40mgを2週に1回投与します。
医師の許可があれば、患者さん自身で注射することも可能です。

このお薬は、ステロイドや栄養療法が効かない中等症~重症の患者さんに使われます。
症状を改善するだけでなく、肛門病変や瘻孔(ろうこう)の治療、入院や手術の回避にも効果が期待できます。
約60%の患者さんが、この薬を続けることで症状のない状態を維持できると報告されています。

ただし、治療を続けるうちに効果が弱くなる「二次無効」という現象が起こる可能性があり、特にレミケード®はその傾向が強いとされています。
その場合は、免疫調節薬との併用で、治療効果が長持ちすることが期待できます12)。

副作用

これらのお薬は免疫を強く抑えるため、肺炎などの感染症に注意が必要です。
また、点滴や注射の後に発疹、発熱、関節痛などの症状が出ることがあります。

体調に異変を感じたら、すぐに主治医や薬剤師に相談してください。
また、B型肝炎ウイルスに感染したことがある方は、使用前に必ず主治医や薬剤師に相談してください。

8)Hanauer SB, et al. Lancet. 2002; 359: 1541-9.
9)Rutgeerts P, et al. N Engl J Med. 2005; 353: 2462-76.
10)Hanauer SB, et al. Gastroenterology. 2006; 130: 323-33, quiz 591.
11)Sandborn WJ, et al. Gut. 2007; 56: 1232-9.
12)Colombel JF, et al. N Engl J Med 2010; 362: 1383-95.

抗α4β7インテグリン阻害剤(ベドリズマブ)

抗α4β7インテグリン阻害剤(ベドリズマブ)

ベドリズマブ(エンタイビオ®)は、2018年11月に潰瘍性大腸炎の治療薬として承認されていましたが、2019年5月からは中等症~重症のクローン病の患者さんでも使えるようになりました13)。
クローン病では、免疫の働きを担う白血球が腸に集まりすぎることで炎症が起こります。
エンタイビオ®は「α4β7インテグリン」という物質の働きを抑え、白血球が腸に移動するのを防ぐことで治療効果を発揮します。

エンタイビオ®は点滴で、初回(0週)、2週目、6週目に投与し、その後は8週間ごとに投与を続けます。
これはレミケード®と同じスケジュールですが、1回の点滴時間が30分で、レミケード®より短時間で済みます。

また、2023年3月に皮下注射が承認され、点滴を2回以上受けて効果があった場合は、2週間ごとの皮下注射に切り替えることができるようになりました14)。

副作用

エンタイビオ®は腸の免疫だけを抑えるため、他の免疫抑制薬と比べて感染症などの全身的な副作用が少ないとされています。
ただし、関節痛など腸以外の症状には効果が低い可能性があるため、治療前後で症状がないか確認することが大切です。

13)Scandborn WJ, et al. N Engl J Med. 2013; 369(8): 711-21.
14)Vermeire S, et al. Journal of Crohn's and Colitis 2022; 16: 27-38.

抗IL-12/23p40抗体製剤(ウステキヌマブ)

抗IL-12/23p40抗体製剤(ウステキヌマブ)

ウステキヌマブ(ステラーラ®)は、2011年から難治性の皮膚疾患である乾癬の治療薬として使われていましたが、2017年3月からはクローン病の治療にも使えるようになりました15)。
この薬は、炎症や免疫に関係するIL-12やIL-23という物質に働きかけ、他の生物学的製剤とは異なる作用機序で症状を改善します。

ステラーラ®は、初回は点滴投与しますが、8週後の2回目投与からは皮下注射になります。
その後は12週間隔で皮下注射を続けますが、効果が弱い場合は、間隔を8週間に短縮することができます。

副作用

このお薬は免疫の働きを抑えるため、肺炎などの感染症に注意が必要です。

15) Feagan BG, et al. N Engl J Med. 2016; 375(20): 1946-60.

抗IL-23p19抗体製剤(リサンキズマブ、ミリキズマブ、グセルクマブ)

抗IL-23p19抗体製剤(リサンキズマブ、ミリキズマブ、グセルクマブ)

リサンキズマブ(スキリージ®)は2023年3月から、ミリキズマブ(オンボー®)は2025年5月から、既存の治療で十分な効果が得られなかった中等症~重症のクローン病に使用できるようになりました16)17)。

さらに、2025年6月にはグセルクマブ(トレムフィア®)が同様の適応で使用できるようになりました18)。
これらの薬は、炎症や免疫に関わる「インターロイキン(IL)-23」を標的とする治療薬で、これまでの生物学的製剤とは異なる働き方をします。

スキリージ®は、まず導入療法として、600mgを4週間ごとに3回(初回・4週後・8週後)点滴注射します。
その後、寛解維持療法に移行し、導入療法終了4週後から、360mgを8週間ごとに皮下注射を行います。

もし寛解維持療法中に効果が弱くなった場合は、導入開始16週以降に1200mgの点滴注射を1回行い、その8週後から皮下注射を再開することができます。
このお薬は自己注射はできません。

オンボー®も同様に、導入療法として900mgを4週間ごとに3回(初回・4週後・8週後)点滴注射を行います。
その後、寛解維持療法に移行し、導入療法終了4週後から、300mgを4週間ごとに皮下注射を続けます。

また、2025年6月からは在宅での自己注射が保険適用となり、通院せずに自宅で治療を続けることが可能になります。
もし寛解維持療法中に効果が弱くなった場合は、導入開始16週以降に900mgの点滴注射を4週間ごとに3回行い、その4週後から皮下注射に戻すことができます。

トレムフィア®は導入療法では1回200mgを初回、4週後、8週後に点滴投与し、維持療法では導入療法終了8週後から、1回100mgを8週間隔で皮下注射します。
状態に応じて導入療法終了4週以降に1回200mgを4週間隔で皮下注射することも可能です。
このお薬は自己注射はできません。

副作用

これらのお薬は免疫の働きを抑える薬です。
そのため、治療中は体の抵抗力が弱くなり、肺炎などの感染症にかかりやすくなることがあります。

16) Edward V Loftus Jr, et al. Lancet. 2022; 399(10340): 2015-30.
17)Ferrante M, et al. Lancet. 2024; 404(10470): 2423-36.
18)Rubin DT, et al. Lancet. 2025; 405(10472): 33-49.

JAK阻害薬(ウパダシチニブ)

JAK阻害薬(ウパダシチニブ)

潰瘍性大腸炎の治療薬として使用されているウパダシチニブ(リンヴォック®)が、2023年6月からクローン病の治療薬としても使用できるようになりました19)。
このお薬は、白血球内の「ヤヌスキナーゼ(JAK)」という酵素の働きを抑え、炎症性サイトカインの産生を抑えることです。これまでの治療で十分な効果が得られなかった中等症から重症の患者さんに経口で投与されます。

通常は、45mg(1錠)を1日1回、12週間服用します。
寛解維持療法では、15mg(1錠)を1日1回服用し、状態に応じて30mgに増量できます。
JAK阻害薬は、寛解導入療法だけでなく寛解維持療法にも使える唯一の経口の分子標的薬です。

副作用

このお薬は免疫を抑えるため、感染症(特に帯状疱疹)や血栓症には注意が必要です。
また、免疫調節薬との併用や妊婦での使用は禁忌とされています。

19) Edward V Loftus Jr, et al. N Engl J Med. 2023; 388(21): 1966-80.

抗生剤

メトロニダゾール(フラジール®)やシプロフロキサシン(シプロキサン®)というお薬が肛門まわりに病変がある患者さんに使われることがあります。

血球成分除去療法

血球成分除去療法

福田 知広

潰瘍性大腸炎は、白血球という血液の成分が腸の粘膜で過剰に働きすぎてしまい、炎症を悪化させたり、長引かせたりしていると考えられています。
血球成分除去療法は、この過剰に働いている白血球を血液から取り除くことで、炎症を抑える治療法です。

この治療は、一度にすべての血液を処理するわけではないため、何回か繰り返して行う必要があります。
この血球成分療法には、現在、単球・顆粒球除去療法(GMA)が使用できる。

<治療の流れ>

  • 片方の腕の静脈から血液を取り出します。
  • 血液が固まらないようにする薬(抗凝固剤)を加えます。
  • 白血球を取り除くための特殊なフィルターやビーズを使って、血液を処理します。
  • 処理した血液をもう片方の腕の静脈に戻します。
  • この操作を約1時間続けます。

効果が認められた場合は、最大で10回まで治療を行うことができます。

血球成分除去療法は、ステロイド治療で十分な効果が得られない重症や難治性の活動期に行われる治療法です1)。
この治療法には、寛解導入までの期間を短縮するために治療頻度を増やす「Intensive治療」 などがあり、2010年から可能となっています。

ステロイドなどの免疫を抑える治療薬と比べると副作用が少ない のが特徴です。
ただし、すべての患者さんに有効なわけではなく、期待した効果が得られない場合は、次の治療法や手術を検討することになります。

また、2022年1月から「寛解維持療法」としての使用が認められ、2週間に1回を限度として48週間続けることが可能になりました。

血球成分とは血液は血漿といわれる液体成分と赤血球、白血球、血小板などの血球成分から構成されています。
白血球には、さらに顆粒球(好塩基球、好酸球、好中球)とリンパ球、単球の3種類があります。

血液の成分のうち、白血球の中でも単球と顆粒球を主に取り除くことで、炎症を抑える治療を行なえるのがGMAの特徴です。

栄養療法

森久保 拓

以前は、クローン病が進行した患者さんの栄養管理のために経腸成分栄養法などの栄養療法が行われていましたが、現在では、症状の出ている時期に腸を休ませることで腹痛や下痢を軽くし、栄養状態を改善させる目的や症状が落ち着いた状態(寛解)を長く維持するために栄養療法が使われています1)。

栄養療法には、点滴で行う完全中心静脈栄養と、口から栄養剤を摂取する経腸栄養があります。
腸に強い狭窄がある場合や小腸の広範囲に病変がある場合、また、口から栄養を摂るのが難しい患者さんなどでは完全中心静脈栄養が選ばれます。

一方、経腸栄養には、タンパクや脂肪をほとんど含まない成分栄養剤、少量のタンパクと脂肪を含む消化態栄養剤、カゼインや大豆タンパクを含む半消化態栄養剤などがあります。

クローン病の経腸栄養療法では、主に成分栄養剤や消化態栄養剤が使われます。
特に成分栄養剤は、消化の負担が少ないアミノ酸をタンパク源としており、脂肪もほとんど含まれていないため、腸を休ませながら十分な栄養を摂ることができます。

成分栄養剤による栄養療法

成分栄養剤(エレメンタルダイエット:ED)は、においが強くそのまま飲みにくいため、フレーバーを混ぜたり、ゼリー状にするなどの工夫をします。
食事の代わりに栄養を補うため、飲みやすい方法を試しながら、無理なく続けることが大切です。

1)Takagi S, et al. Aliment Pharmacol Ther. 2006; 24(9): 1333-40.

経腸栄養療法

成分栄養剤の使用方法

経腸栄養療法にはエレンタール®という成分栄養剤が用いられます。
粉末状なので、ぬるま湯や水に溶かして飲むタイプです。

コップやボトルの中でかき混ぜたり、振ったりすると、簡単に溶かすことができます。
エレンタール®は栄養価が高く、長時間放置すると雑菌が増えることがあるため、飲む直前に作るようにしましょう。
溶かしたものは12時間以内に飲むようにしてください。特に暑い季節は、冷蔵庫など涼しい場所で保存するのがよいでしょう。

エレンタール®のカロリー

エレンタール®は、1袋に80g(300kcal)の栄養が含まれています。
1日に必要な栄養の目安はは、体重1kgあたり約30~40kcalです。

クローン病の治療では、栄養療法の一部としてエレンタール®を用います。
飲む量は病状に合わせて調整されます。

例えば、症状が落ち着いている時(寛解期)は、エレンタール®を飲まなくてもよいことも多いですが、腹痛などの症状がある時(活動期)は、1日に必要な栄養をすべてエレンタール®で補うこともあります。

経腸栄養療法の流れ

1.栄養剤を溶かす
ふた付きの容器に、約250mLのぬるま湯を入れます。そこにエレンタール®とフレーバーを加え、ふたを閉めて上下に振ると、よく混ざります。

ジューサーやシェイクボトルを使ったり、ボウルでかき混ぜたりする方法もあります。
味やにおいが気になる場合は、氷を入れて冷やしたり、ゼリー状にするなど、飲みやすく工夫している方もいます。

飲み方のポイント

  • 味が濃く感じる場合は、水やぬるま湯を少し多めにして薄めると飲みやすくなります。
  • 下痢が気になる場合は、一気に飲まず、時間をかけてゆっくり飲むようにしましょう。
  • ゼリーミックスを使う場合は、フレーバーを入れる前にゼリーミックスをしっかり溶かしてください。

2.後片付け
ボトルは食器用洗剤とぬるま湯でよく洗い、しっかり乾燥させます。
ボトルの中に残っていると細菌が繁殖しやすくなるので、毎回きれいに洗いましょう。

3.ボトルの交換時期
EDボトル… 破損するまで使用できる。

手術療法

石井 良幸

クローン病は、消化管のどの部分にも炎症が起こる可能性があり、症状が再び悪化することも多い病気です。
そのため、基本的には薬物療法と栄養療法で病気をコントロールしていきます。
ただし、次のような場合には手術が必要になることがあります。

緊急に手術が必要な場合

  • 大量出血がみられる場合
  • 中毒性巨大結腸症(大腸内にガスや毒素が溜まり膨らんだ状態 )
  • 穿孔(腸管が破れて腹膜炎となる状態)
  • 癌化またはその疑い
  • 腸閉塞(腸が狭くなり、通過性が阻害された状態)

患者さんのQOL向上のために手術が行われる場合

  • 薬物療法などの内科的治療法に反応しない場合
  • 膿瘍、外瘻(腸管皮膚瘻など)、内瘻(腸管膀胱瘻など)
  • 難治性の狭窄
  • 痔瘻などの肛門周囲膿瘍
  • 小児などの栄養障害

クローン病の手術の中で、食べ物が通りにくくなる「腸管狭窄」に対する手術が最も多く行われます。
手術の方法には、❶狭くなった部分を切除して繋ぐ手術、❷バイパス手術、❸狭窄を広げる手術などがあります。
クローン病では、手術を何度も受けることがあるため、腸を切除する場合はできるだけ小範囲にとどめます。

また、クローン病では肛門の病気を伴うことが多く、膿がたまったり、複雑な痔瘻ができることがあります。
症状がある場合は自己判断せず、主治医に相談しましょう。

手術と聞くと不安に感じる方も多いですが、適切な時期に手術を行うことで病気のコントロールが良くなります。
手術のタイミングが遅れると、より大きな手術が必要になることもあるため、主治医とよく相談することが大切です。不安な場合は、すでに手術を受けた方の話を聞くのも良い方法です。前向きに治療を考えていきましょう。

身体に優しい手術方法

最近では、お腹を大きく切らずに、小さな穴を開けてカメラを入れる「腹腔鏡手術」が行われています。傷が小さいため痛みが少なく、回復が早く、入院期間が短くなるメリットがあります。
ただし、緊急手術などすべての患者さんに適用できるわけではないため、主治医や外科の先生と相談して決めることが大切です。

食事療法

宮谷 侑佑松林 真央畑 妃咲

クローン病の活動期は、食事療法だけで治すことはできません。
一時的に成分栄養剤のみを使ったり、1日の栄養量の半分を成分栄養剤に置き換えたりすることがあります。
こうすることで、炎症で失われた栄養分を補い、腸を休ませることができます。

一方、症状の落ち着いた寛解期は、特に食事制限はありません1)。
ただし、腸に狭窄がある場合は、繊維質のものは細かく刻み、よく噛んで食べるなどの工夫が必要です。

また、腸を切除した方は、脱水を防ぐために水分や栄養補給をこまめに行い、場合によっては点滴で補うことが必要なことがあります。

食事をとるうえでの具体的な注意点

1.脂肪

n-6系脂肪酸や飽和脂肪酸を減らし、n-3系脂肪酸をより多く取るようにしましょう。

飽 和 脂 肪酸:肉類の脂、バター、卵黄など
n-6系脂肪酸:ごま油、マーガリン、コーン油、ピーナッツなど
n-3系脂肪酸:青魚、しそ油、えごま油、アマニ油

タンパク質

寛解期は特に気にせず、一般的に体重1kgあたり1gの摂取が理想的です。活動期は消耗が多いため、1kgあたり1.2~1.5gが推奨されます。
赤身の肉や卵を避ける方もいますが、炎症を悪化させる根拠はなく、動物性・植物性タンパク質をバランスよく摂ることが大切です。

動物性タンパク質:脂肪の少ないモモ肉、ムネ肉、ヒレ肉、ささ身、青魚など
植物性タンパク質:大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)

糖質

糖質を特別に制限する必要はありません。
活動期は、脂質を控える分のカロリーを糖質で補います。
腸に炎症や狭窄がないのにお腹の張りや痛みが気になる場合は、「低FODMAP食」※が症状の改善に役立つことがあります3)。

食物繊維

腸に狭窄がある場合は、こんにゃく、きのこ、海藻などの不溶性食物繊維を避けましょう。
狭窄がない場合は特に制限はなく、キャベツやりんごなど腸内環境を整える食物繊維は積極的に摂っても問題ありません。

ビタミン・ミネラル・微量元素

クローン病では、腸の炎症や手術の影響でビタミンやミネラルの吸収が低下することがあります。
特に、回腸末端に炎症がある場合や回盲部を切除した方は、ビタミンB12の吸収が悪くなることがあります。

また、炎症や出血による鉄不足、薬の影響で葉酸が不足することもあります。
ビタミンDや亜鉛が不足しやすく、病気の活動性と関係があると報告されています。

短腸症候群や栄養状態が悪い方は、ビタミンA・C・Eやカリウム、マグネシウム、リン、カルシウム、セレニウムなどの検査を行い4)、必要に応じて補充します。

また、大腸が残っている短腸症候群の方は腎結石のリスクが高くなることがあります。
結石を防ぐために、水分をしっかり摂り、シュウ酸を控えめにし、カルシウムを積極的に摂ることが大切です5)。

刺激物

アルコールや辛いものを摂ると、軟便などの症状が出ることがありますが、これは一般の方にも見られる反応であり、必ずしも炎症性腸疾患が悪化しているわけではありません。
特に不快な症状がなければ、無理に制限する必要はありません。自分の体調に合わせて調整しましょう。

炎症性腸疾患(IBD)とは?潰瘍性大腸炎クローン病
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